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作曲会議の話#01


 

 おとつくらぼでは毎回作曲会議をしています。

 この会議がですね……毎回めちゃくちゃ楽しいんですよ。得るものも多くて、実のある話ができるんです。

 今日はそんな作曲会議の話。

 

 作曲会議とは何か。

 毎回おとつくらぼでは、1年近くの期間をかけて準備します。作曲から始めるので、それなりに時間がかかるのです。

 演奏する人も別にプロフェッショナルな活動をしている人ばかりではありません。初めての譜面を一朝一夕で仕上げるには、やっぱりそれなりに時間がかかるのです。結果、1年弱の準備期間になります。実はなかなか大変ですね。

 この最初の作曲の段階で、演奏する作品をプレゼン(?)し合い、互いにリスペクトしながら作品のクオリティを深めていくプロセスが作曲会議です。

 

 で、何をしているかといいますと、要は1か月に1回進捗確認をしているのです。

 1か月の成果を作品ごとにみて、どういう風に作ったかを発表します。自分で作った作品なのでどこを工夫したとかどんな効果を狙ったとか、作曲のアプローチや理論的なところまで、発表する人にはすべてわかるのです。

 楽譜を見ながら工夫を聴きながら、作品に対して質問をして理解を深めたり、突っ込んで検討したり……そうやって作品のクオリティを上げていく、そんな会議です。

 

 おとつくらぼに参加してくれた作曲者にとっては、この会議は大きな目玉になる、大きな収穫になる、と個人的には思っています。

 今でこそ電子音源を使って音源化できたり、SNS等を使って不特定の人にも見てもらえたりという環境がありますが、作曲側のコミュニティの形成機会って演奏者よりも少ないんですよね。

 例えば演奏会に参加したり演奏団体に所属したりすると大体同じ楽器の人たちがいて、「同じ楽器」コミュニティや「演奏という同じことが好きな人」コミュニティが形成できます。それと比較すると作曲者は機会が圧倒的に少ない。新作が演奏されない環境であれば、演奏会に「作曲」が必要ないのでなおさらです。

 (もちろん無いわけではないですし、コミュニティ作れるのですが)

 

 作曲者同士が集まるので、作品に対する深い考察ができます。

 各自の経験や知識から深いところで意見が交わされるので、話がスムーズかつ新しい発想が生まれやすいです。相談もできます。

 4人という人数もちょうどいいんですよね。多すぎると発言しなくても良くなるし、少なすぎるといろいろな視点が出てこない。

 そしてみんな作る側の人なので、互いのリスペクトを忘れない。非常に大事です。強固なチームが形成されていきます。

 

 第4回も会議を重ねてきました。あと9~10月の間に1回やって、それで最後かな、と思います。寂しいですね。

 でも次は練習の段階に入ります。それはそれで楽しいんですよね。書いた作品が出来上がっていくプロセスです。楽しみ。

 次回の「作曲会議の話」では、過去の作曲会議の話題に触れましょうか。

 締め切りぎりぎりになった話とか、あの曲の初稿とか、ちょっと脱線した面白い話とか。